日日日『恋の穴におちた。』タイトル画像


LINEノベルオリジナル作家のみなさんへのインタビュー企画。
今回はライト文芸レーベル"LINE文庫"から11月に刊行される『恋の穴におちた。』を執筆された日日日さんへお話を伺いました。


恋の穴におちた。』あらすじ
「おとなりさん、ですか?」
私、小説家の牛老丸華菜が住むマンションに突如空いた謎の『穴』。
その『穴』の先に美しい顔があった。
一瞬上手な絵画かと思った。そのぐらい非現実的な美貌。
小学生、つまり十歳ほどの男の子のようだ。
「あのう……」
知夫、と名乗る美しい顔の少年は、無言でただ見とれている私におずおずと呼びかける。
そして、小動物のように首を傾げていた。

それが、すべての始まり。
私と彼の、何とも表現しづらい、奇妙な交流の幕開けだった。

日日日が贈る、究極の『愛』が綴られた物語。


「ダメな大人にスポットを」思考実験から生まれた主人公

今回の作品『恋の穴におちた。』のコンセプトはどのように決まりましたか?

打ち合わせのときに、担当さんと話をしていたら「これだ!」と思うものが見えてきたので、そのままアウトプットしました。
担当さんから「(この作品は)いわゆる“おねショタ”ということですか?」と聞かれたので「違います」と直接違和感を表明して……。そうやって会話をしていく中で思考が整理されて、自然とコンセプトが固まっていきましたね。 

――本作は大人の女性・牛老丸華菜と幼い少年・知夫の不思議な出会いから始まるラブストーリーですが、華菜のキャラクター設定はどのように決めていかれたのでしょうか?

こういう大人と子どもの恋愛を描いた作品の主人公は、大抵倫理観のあるしっかりした大人である場合が多いな、という印象でして。
「もしも社会生活も満足に営めないような大人(悪人や児童性愛者ではなく)が主人公だったら?」「そんなダメな大人が、誰かを助けたいと望むのはいけないことなのか?」……そういった思考実験を繰り返す中で生まれたのが、華菜です。 

――なるほど。たくさんの“もしも”が組み合わさり、華菜と知夫の奇妙な交流へと繋がったんですね。特に思い入れの強いキャラクターと、その理由をお聞かせいただけますでしょうか。

カザミ(風見鶏)ですかね……。回想などにしか出てこない人物なのですが、“『美少女』を演じさせられている男娼”という意味深なキャラ造形が気に入っています。
男が“男の理想の美少女”を描くのは、リアルだと結構痛々しいです。 

――日日日さん同様、華菜の職業も小説家なのでよくご存知の世界かと思うのですが、今回改めて取材などされたのでしょうか?また、本作の中でモチーフとなった場所がありましたら教えてください。

周りが作家さんや編集者さんだらけなので、誰かに会うたびに気になることを色々聞いたりはしましたね。
モチーフになった場所は、昔友だちと1ヶ月ほど住んでいた温泉街です。 


作品を一番愛せるのは、自分自身

――最初に小説を書き始めたきっかけを教えてください。

うちの姉は、成績優秀でコミュニケーション能力も高くて、おまけに美人なんです。
そんな姉と同じ生き方をしたら永遠に親から褒められることはないな、と悟って全く別の道を選びました。その“他の道”の中で一番愛着を抱けたのが、小説だったんです。 

――小説に一番愛着を抱いたとのことですが、元々本はお好きだったんですか?

学生時代は移動中や食事中でも濫読していたくらいの本の虫で、その頃読んだもの全てから影響を受けています。
今回の作品には、女性向けの仕事をするようになってから触れた作品や作家さん、読者の方から与えられた様々な刺激が色濃く反映されていますよ。 

――作品を書いていて、筆が進まなくなることはありますか?

最近は、執筆より面白いことをたくさん見つけてしまうことが多くて……。そこで筆が止まってしまうんです。そうなると、その興味の対象に飽きるまで没頭するしかないですね。作品づくりに疲れてしまっているのでしょうか。
それでも、小説に飽きることはないので最終的にはきちんと戻ってきます。  

――普段はいつ、どんな場所で小説を書かれてるのでしょうか。

文章を生産するためだけの工場みたいな場所に通って、そこでコツコツ書いています。
自宅では趣味に耽溺しているので、会社員に近い感覚です。 

――仕事と趣味の境がきちんと分かれる気がするので、すごく良いスタイルだと思います。では、これまでの執筆活動の中で苦労したことや嬉しかったことを教えてください。

思ったように書けないときは自分への不甲斐なさを感じますし、人間関係に苦労することもありますけど、それ以外のことはなんでも、全部嬉しいです。 

――日日日さんが、作品を書き続けていくために心掛けていることはなんでしょうか。

最終的に作品を一番愛せるのは自分自身だと理解して、目一杯愛情を注ぐことでしょうか。
尚且つ、良い意味での妥協も忘れずに……。お仕事ですからね。 


小説を取り巻く色とりどりの“愛”――愛すべき物語を、一緒に。

――これからチャレンジしていきたいことはありますか?

最近は大きな会社やタイトルに携わる機会が増えてきたので、極めて個人的な原稿も書かないと自分を見失ってしまうかもしれない、という危機感があります。だから同人でノベルゲームみたいなものを製作してみようかなと、ひっそり構想中です。 

――面白そうですね。実現を楽しみにお待ちしております。それでは、LINEノベルに期待されていることを教えてください。

近年のライトノベルは会社よりも個人が強い印象なので、大企業に無尽蔵の資金を注入して華々しい帝国を築いて欲しいと思っています。LINEなら打ってつけではないでしょうか。 

――本作を期待されているみなさまにメッセージをお願いいたします。

ここのところアプリの仕事に偏りがちなイメージがあるかもしれませんが、日日日は昔からマンガ原作を描いたり、WEBで連載したりと働く場所を選んでいません。
どこで書いても文字は文字なので、カテゴリーにとらわれずに楽しんで、できれば愛していただければ、他に望むことはありません。 

――それでは最後に、これから投稿するユーザーのみなさまにアドバイスや応援の言葉をいただけますでしょうか。

ある作家さんの本に書かれていましたが『流行を愛せれば最強』なので、どんなものでも愛せるように己を調教すると良いと思いますよ。食わず嫌いは栄養失調を起こしてしまいますし、最後には必ず愛が勝ちます。
愛すべき物語を、一緒にどんどん書いてまいりましょう。  
 


書籍情報

著者について
著者:日日日
高校在学時に第1回MF文庫J新人賞編集長特別賞受賞を含め新人賞を5個受賞。
小説では「狂乱家族日記(ファミ通文庫)」TVアニメ化や「私の優しくない先輩(講談社)」実写映画化、ゲームシナリオ「あんさんぶるスターズ‼(Happy Elements)」TVアニメ化などメディアミックス化された作品のを多く手掛ける。

イラスト:neco
主な実績:「重兵装型女子高生」 figma&1/7立体化、「MIKUEXPO2016 JAPAN/AMERICA」 メインビジュアル 、「拡張少女系トライナリー」キャラクター原案など

無料で試し読み
LINEノベルで読む

購入はこちら