
この日のテーマは「ミリオンセラーの作り方」。
ノベルLINE統括編集長の三木一馬さん、新潮文庫nex編集長の高橋裕介さん、そしてLINEノベル事業プロデューサーの森啓が登壇しました。
本記事はそちらのイベントの事後レポートとなっています。
まず、編集を担当した作品の発行累計が6000万部を突破している三木さんがこれまでの経験を語るパートから始まりました。
今回、ミリオンセラーになった『魔法科高校の劣等生』と『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の2作品を例としてあげながら、これまでどのようにミリオンセラーを生み出してきたかをご説明いただきました。前回の記事はこちらです。
三木:次は『魔法科高校の劣等生』についてです。この作品は、元々WEB小説なんです。つまり、編集と作家と2人で「どうしよう?」と考えたわけではなく、作家さんがWEBで自由に書いたものでした。それを書籍として商業化させていただきました。
WEB小説を商業にする時に、皆さんはご存知かもしれないですが、WEBでの人気がそのまま売れることに直結するんだったら、誰も苦労しないんです。だったら、ランキング一位のものを採用すればいいだけなんです。
でも、意外とそうではなくて。例えば『君の膵臓をたべたい』は、ランキングではそこまで上位ではありませんでしたが、すごく売れてますよね。このように、勝負する時には工夫が必要で。ニーズがあるところに放り込んであげるというのが大事なんです。
『魔法科高校の劣等生』という作品を電撃文庫で出そうとなったとき、もともとの作品は少し上の世代向けで、ハードボイルド感があるイメージでした。それをすこし変えたかったのです。達観しててぶれずに目標へと邁進する主人公への共感が少し難しいところがあったと思っていて、それをどうやって読者と近づけるか考えました。
それで僕は、『コードギアス』なんじゃないかと思ったんです。ルルーシュ(※)は人気あるじゃないかと(笑)。
※2006年に放送されたアニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』。
なので、まずイラストからそれを表現しようと思いました。『コードギアス 反逆のルルーシュ』のアニメに携わっておられた石田可奈さんにイラストをお願いしました。
三木:佐島さんにご連絡を差し上げた時、当時から人気だったので電撃文庫で出してもらうために、色々準備をしたわけです。だって、他にもあらゆるレーベルありますから。
うちでやってもらうためには、印税でもプロモーションでもなんでもいいんですが、「どういう風に取り組むか?」と「熱意」を伝えないといけなくて。
その時にこういうイラストのイメージです、っていうのがあるとラノベはわかりやすいですよね。で、しかも「実はこういうイメージで描いて貰うつもりです。」と言えればとても良くて。
「僕のイメージはルルーシュです。なんでかというと、年上向けではなくて子供たちに売りたいんだ。」と伝えました。加えて、「コードギアスは子供たちにも人気でかっこいいです。それを再現できそうな方としては石田可奈さんという方が良いと思っております!ぜひ一緒にやらせてください!」という話をしました。
そしたらおかげさまで大成功しました。
というわけで、みなさんももしミリオンセラーを出したかったらアニメの総作監さんに依頼するとすごく簡単に作れます(笑)。
会場:(笑)
※こちらの記事は連載形式です。続きは5/14(火)に掲載予定です。
大変申し訳ございませんがレポートの続編は、
諸般の事情により日にちをずらしての掲載とさせていただきます。
後日アップ予定となっております。何卒よろしくお願いいたします。
■登壇者プロフィール
Twitter:@km_straightedge