
LINEノベルオリジナル作家のみなさんへインタビューをする本企画。
今回はライト文芸レーベル"LINE文庫"より11月に刊行される『君は誰に恋をする』を執筆された天乃聖樹さんへお話を伺いました。
――『君は誰に恋をする』のコンセプトはどのように決まったのでしょうか?
――ある“おまじない”をきっかけに、登場人物たちの恋が複雑に絡み合っていく物語ですが、それぞれのキャラクター設定をどのように決めて行かれたのかをお聞きしたいです。
私にとってキャラクターは心の奥から溢れてくる存在ですので、“決めていく”というよりは“そこにいる”という感覚に近いです。
物語の世界を創っていると、その世界観に合ったキャラクターが自然に生まれてくるんです。
――すでに命が宿っているんですね。天乃さんにとって、特に思い入れの強いキャラクターを教えてください。
可奈が抱えている問題がストーリーの軸になっているので、やはり可奈でしょうか。
――この作品は、空が神社での恋愛祈願へ向かったことがきっかけとなってお話が動きはじめます。作品の舞台となる場所は、物語にとってかなりのキーポイントだと思うのですが、天乃さんは普段、取材などに行かれることはあるのでしょうか。
もちろん行きますよ。物語の描写や設定にリアリティを持たせたり、新たにアイディアを生み出すためには現地に向かうのが一番だと思っています。プレ聖地巡礼、とでも言うべきでしょうか。
――ありがとうございます。それでは、本作の読みどころを教えてください!
メインキャラクター4人の微妙な心の揺れ動きが一番の読みどころです。それぞれが片想いに悩み、違う方向を見つめて生きています。言葉やしぐさの端々に感情が滲んでいますが、秘めていることもたくさんあるんです。
――最初に小説を書き始めたきっかけを教えてください。
初めて書いたのは小学校低学年の頃ですね。ドリトル先生の二次創作短編でした。ホームルームで先生から音読するように言われて、褒めてもらった記憶があります。
――6歳にして、詩や随筆!かなり大人っぽい趣味をお持ちだったんですね。影響を受けた小説はありますか?
一番の愛読書は『赤毛のアン』です。本がボロボロになるまで繰り返し読みました。他には『ハイペリオン』シリーズや『エンディミオン』シリーズからも、創作の核を学びましたね。
――普段はどのような時間帯やシチュエーションで作品を書かれているのでしょうか?
雨戸まで閉め切った、まるで棺桶のような部屋でひたすら執筆しています。夜型の吸血鬼です。
――夜型の吸血鬼に棺桶……なんだかホラー小説のような表現ですね(笑)。独特な環境で執筆されているようですが、筆が進まないことはありますか?
体調が悪いときや遊び足りなくて心が枯れているときは、やはり筆の進みも遅くなります。
――かなり辛い状況ですね……。執筆活動の中には、今お話しいただいた締切に関する苦労も含めて大変なことが沢山あると思います。これまでで一番苦労したことや、反対に嬉しかったことを教えてください。
苦労したことは色々ありすぎて闇が深いので、割愛させてください……!
――小説には、登場人物たちの感情が沢山詰まっていますし、読んでいるこちらも触発されて一緒に喜んだり、悲しんだり……。ときには自分でも知らなかった感情を呼び起こされることもあります。それでは、天乃さんが作品を書き続けていくために心掛けてることを教えてください。
命尽きるまで書き続けます。これは心掛けというよりも、覚悟です。
――これからどんなことにチャレンジしていきたいですか?
もっともっと人の感情を揺さぶる作品を書きたいです。自分の小説で日本中の人に泣いてもらうのが夢ですね。
――LINEノベルに期待されていることを教えてください!
“本を読んだことがない人”もターゲットに含んだアプリの仕組みは大変興味深く、注目しています。新たな読者層にリーチできる可能性が高いプラットフォームですので、既存レーベルとは異なる新大陸を開拓して欲しいです。
――ありがとうございます。それでは作品を期待されているみなさまにメッセージをお願いします。
恋は辛いからこそ輝きます。真剣であるほどに苦しみます。
『君は誰に恋をする』あらすじ
人形絵馬に想い人の名を記し神社の祠に結べばどんな片思いも成就する、という言い伝えがある。
高校二年生の青井空は、恋愛祈願へ向かう道中でクラスメイトの鈴木可奈と出くわす。
偶然お互いの想い人が自分の親友であることが明らかになった空と可奈は、協力し合うことに。
学校で恋愛相談しているところをそれぞれの想い人である月宮凛と鷹羽剛に見つかり、話の流れから恋愛弱者同盟というグループを結成するのだが、それぞれの想いが複雑に絡み合い――。
キャラクターは、物語の世界観の中で自然に生まれてくる
――『君は誰に恋をする』のコンセプトはどのように決まったのでしょうか?
普段はライトノベルを多く書いているのですが、LINEノベルではまた違った読者層に読んでいただける機会がありそうだったので、以前から書きたかった純愛小説の企画を立てました。
そこから、「この作品を読んだ読者のみなさんに、どんな感情を抱いてもらいたいか」を考え、切なくて苦い恋をテーマに書こうと決めました。
――ある“おまじない”をきっかけに、登場人物たちの恋が複雑に絡み合っていく物語ですが、それぞれのキャラクター設定をどのように決めて行かれたのかをお聞きしたいです。
私にとってキャラクターは心の奥から溢れてくる存在ですので、“決めていく”というよりは“そこにいる”という感覚に近いです。
物語の世界を創っていると、その世界観に合ったキャラクターが自然に生まれてくるんです。
――すでに命が宿っているんですね。天乃さんにとって、特に思い入れの強いキャラクターを教えてください。
可奈が抱えている問題がストーリーの軸になっているので、やはり可奈でしょうか。
もう一人の主人公・空の妹の雫も好きですね。兄の部屋に我が物顔で居座ったり、結構イイ性格をしています。
――この作品は、空が神社での恋愛祈願へ向かったことがきっかけとなってお話が動きはじめます。作品の舞台となる場所は、物語にとってかなりのキーポイントだと思うのですが、天乃さんは普段、取材などに行かれることはあるのでしょうか。
もちろん行きますよ。物語の描写や設定にリアリティを持たせたり、新たにアイディアを生み出すためには現地に向かうのが一番だと思っています。プレ聖地巡礼、とでも言うべきでしょうか。
作品の舞台となる街を散歩することで、イマジネーションが掻き立てられるんです。
――ありがとうございます。それでは、本作の読みどころを教えてください!
メインキャラクター4人の微妙な心の揺れ動きが一番の読みどころです。それぞれが片想いに悩み、違う方向を見つめて生きています。言葉やしぐさの端々に感情が滲んでいますが、秘めていることもたくさんあるんです。
誰が誰に恋をして、どんな想いに苦しんでいるのか。なぜ、恋心を打ち明けることができないのか。恋愛以外に、何を背負っているのか――。
ミステリーではありませんが、4人の深層心理を予想しながら読むと面白いと思います。
物を書くこと=息をすること
――最初に小説を書き始めたきっかけを教えてください。
初めて書いたのは小学校低学年の頃ですね。ドリトル先生の二次創作短編でした。ホームルームで先生から音読するように言われて、褒めてもらった記憶があります。
6歳の頃から、暇なときは本を読んだり、ノートにマンガを描いたり、詩や随筆を書いたりしていました。物を書くということは、呼吸をするのと同じ感覚です。
――6歳にして、詩や随筆!かなり大人っぽい趣味をお持ちだったんですね。影響を受けた小説はありますか?
一番の愛読書は『赤毛のアン』です。本がボロボロになるまで繰り返し読みました。他には『ハイペリオン』シリーズや『エンディミオン』シリーズからも、創作の核を学びましたね。
基本的に英米小説で育った人間ですので、実はライトノベルの新人賞に応募した頃まで、日本の小説もライトノベルも読んだことがありませんでした。そのせいか、代表作の『十歳の最強魔導師』もよく「児童文学では?」と言われます。
――普段はどのような時間帯やシチュエーションで作品を書かれているのでしょうか?
雨戸まで閉め切った、まるで棺桶のような部屋でひたすら執筆しています。夜型の吸血鬼です。
ときどき、気分転換に喫茶店で書くこともあります。
――夜型の吸血鬼に棺桶……なんだかホラー小説のような表現ですね(笑)。独特な環境で執筆されているようですが、筆が進まないことはありますか?
体調が悪いときや遊び足りなくて心が枯れているときは、やはり筆の進みも遅くなります。
そういうときは、休んだりしてコンディションを整え乗り越えますが、問題は締切間近で休む時間もないのに、気力が枯渇したときですね。どうしたらよいものか……。
――かなり辛い状況ですね……。執筆活動の中には、今お話しいただいた締切に関する苦労も含めて大変なことが沢山あると思います。これまでで一番苦労したことや、反対に嬉しかったことを教えてください。
苦労したことは色々ありすぎて闇が深いので、割愛させてください……!
嬉しいのはファンレターをいただいたときです。自分の作品が誰かの心に届いたんだな、と実感できる瞬間は最高ですね。
喜怒哀楽どんな方向でも、人の感情を動かすことが大好きです。
――小説には、登場人物たちの感情が沢山詰まっていますし、読んでいるこちらも触発されて一緒に喜んだり、悲しんだり……。ときには自分でも知らなかった感情を呼び起こされることもあります。それでは、天乃さんが作品を書き続けていくために心掛けてることを教えてください。
命尽きるまで書き続けます。これは心掛けというよりも、覚悟です。
日本中が涙する物語を――天乃聖樹が描く夢
――これからどんなことにチャレンジしていきたいですか?
もっともっと人の感情を揺さぶる作品を書きたいです。自分の小説で日本中の人に泣いてもらうのが夢ですね。
――LINEノベルに期待されていることを教えてください!
“本を読んだことがない人”もターゲットに含んだアプリの仕組みは大変興味深く、注目しています。新たな読者層にリーチできる可能性が高いプラットフォームですので、既存レーベルとは異なる新大陸を開拓して欲しいです。
――ありがとうございます。それでは作品を期待されているみなさまにメッセージをお願いします。
恋は辛いからこそ輝きます。真剣であるほどに苦しみます。
主人公の空や可奈と一緒に、みなさんも恋をしてください。
――最後に、これから投稿するユーザーのみなさまにアドバイスや応援の言葉をいただけますでしょうか。
LINEノベルは、様々なジャンルが受け入れられる懐の深い投稿サイトだと思います。人気が出やすい展開をなぞるのではなく、自分の信じる“面白いモノ”を突き詰めて欲しいです。
私は、その人だけの物語を読んでみたいです。
書籍情報
著者について
著者:天乃聖樹
GA文庫の新人賞で作家デビューし、複数レーベルで執筆している。
会話のテンポが良いラブコメに定評がある。
女主人公の小説や女性向けゲームシナリオの執筆経験が多く、繊細な心理描写が得意。
著作に『十歳の最強魔導師』(ヒーロー文庫)、『可愛い女の子に攻略されるのは好きですか?』(GA文庫)などがある。
イラスト:ふすい
住野よる『青くて痛くて脆い』(KADOKAWA)、山田悠介『貴族と奴隷』(幻冬舎文庫)などを担当。